BtoB専門のSEOガイド: あなたのビジネスを次のレベルに引き上げる戦略
2023.06.20
SEO(検索エンジン最適化)は、デジタルマーケティング戦略の中心的な部分であり、特にBtoBビジネスとは相性が良いケースが少なくありません。
検索エンジンの結果ページで高い順位を獲得することで、ブランドの視認性と信頼性を向上させ、結果的にはリード生成と顧客獲得につながります。
本記事では株式会社ノベルで行った多くのBtoB企業でのSEO対策実績を元にBtoB企業のSEO対策の進め方とよくある失敗につながるポイントについて解説していきます。
目次
BtoBビジネスとSEO対策の相性
BtoBのビジネスの場合は、パソコンを使ってGoogle検索を使用して情報収集を行っているユーザーが多くなります。
そのためSEO対策を進め、情報収集系のキーワードで上位表示を達成することができれば潜在顧客との接点を増やすことが可能です。
また、BtoBビジネスのSEO対策は、BtoCとは異なる特定のニーズと課題に対応する必要があります。
これは、意志決定過程に社内で複数の人間が関わり、価格帯が高く、そして顧客が専門的な知識を持っているためです。
このため、特定のキーワード戦略やコンテンツ作成、リンク構築、リード獲得への導線といったカスタージャーニーを考慮したSEO対策を行っていく必要があります。
ノベルでのBtoBビジネスのクライアントの成功例
BtoBビジネスのSEO対策は様々な人材が必要になり、部署間の連携も必須になるため簡単ではありませんが、実際に上位表示を達成した時のインパクトは非常に大きいです。
弊社のクライアント様の実例であれば業界3〜5位だった製品が今では4年連続で業界シェアNo1になった上に広告費も大幅に削減できていたり、機械のレンタル会社では社内にある数十種類の機械のほとんどで上位表示ができた結果、1日の問い合わせ件数が5件程度だったのが20~30件まで増加し、人材と機械が短期間で一気に増え、3年ほどで広さが3倍のオフィスへと移転されたりと大きな成果に繋がったケースもあります。
SEO対策で大量のリードを獲得できた後の営業担当者さん達の活躍もあってこその結果ですが、数年単位で対策を行っていけばこういった結果を出すことも可能です。
SEO対策と相性の悪い業界もある
BtoBビジネスでSEO対策で上位表示をしても成果が期待できない業界も存在します。
顧客獲得方法が昔から紹介がほとんどで、検索して情報収集をするような会社がほとんどないような業界の場合はSEO対策での顧客獲得は難しいことが多いです。
またSEO対策だけでなくWEB広告、SNSなどのWEBマーケティング手法も同様に厳しいです。
実際にWEBを活用した集客で成功している企業が1社も見当たらない業界で、SEO対策とWEB広告の依頼を受けて対策を行ったことがありますが、問い合わせは取れても費用対効果を合わせるのがかなり難しかったケースがありました。
自社が提供しているサービスに関連するキーワードで検索ボリュームがほとんどない場合はWEBマーケティング以外の集客方法を選択するか、オフラインでの対策と並行して進めるのが無難だと思います。
業界固有のキーワード戦略、BtoBに特化したキーワードリサーチのヒント
BtoBビジネスにおいては、業界固有の専門用語を含むキーワードが重要なケースがあります。
そのため、キーワードリサーチツールを使用して関連性の高いキーワードを見つけるとともに、競合他社がどのキーワードをターゲットにしているのかを調査することも重要です。
検索ボリュームが数百程度しかないキーワードであってもリード獲得に大きく貢献するキーワードも少なくないので、検索ボリュームだけを見てキーワード選定をしてしまわないように注意しましょう。
BtoBビジネスの場合、課題が発生した時に顧客は情報収集から始めます。
そのため、顧客が抱えている課題をより具体的に表したロングテールキーワードで検索行動を始めることが少なくありません。
顧客がどのような課題を持って自社の製品やサービスを探しているのかを考慮した上でキーワードリサーチを進めていくとより精度の高いキーワード選定が可能になります。
BtoBのキーワード選定でよくある失敗しやすいポイント
自社でSEO対策を進めていて、思ったような結果が出ない企業のキーワード選定にはある程度の共通点があります。
- ①意味を調べるための検索が多いビックキーワードをメインターゲットにしている
- ②比較サイトが上位にきているビックキーワードをメインターゲットにしている
- ③同業者はよく使うが、顧客側は知らないキーワードをメインターゲットにしている
この3つの特徴を持ったキーワードをメインターゲットに設定されている場合、本来の目的であるリード獲得、顧客獲得には繋がりにくかったり、上位表示を達成するのは難しいケースが多くなります。
大企業でSEOに取り組み始めて日が浅い場合や、中小企業で上層部がWEBマーケティングについての知識がない場合にこの失敗に陥るケースが弊社が担当していただいているクライアント様、相談いただいた企業様に多い印象です。
これらのキーワードはサービスや商品を表すキーワードであることが多く、上層部の方からすると最も重要なキーワードに見えることが原因だと思われます。
①②のキーワードは競合も力を入れているキーワードなので上位表示が難しく、時間がかかってしまう上に「〜とは」という意味を調べる検索が多いこともあるのでリード獲得や顧客獲得には繋がらないケースも少なくありません。
③のキーワードの場合は同業者が情報の確認のために検索することが多く、そもそも潜在顧客との接点になっていないケースがほとんどです。
キーワード選定では顧客になりそうなユーザーの悩みや課題のロングテールキーワードを最初に目標として設定して、小さい結果を多く出していくのがおすすめです。
キーワード選定について詳しく知りたい方は「キーワードリサーチの重要性と考え方を理解しよう(SEO・リスティング広告でのキーワードの選び方)」の記事を参考にしてください。
サイト構造の最適化: BtoBウェブサイトのユーザビリティとSEO
BtoB企業のホームページはサイト構造が複雑になっていて、ユーザーにとって知りたい情報が分かりにくいサイトになっている企業が少なくありません。
- 問い合わせ、資料請求の場所が分かりにくい
- 自分が知りたい情報へ辿り着けない
- 価格がわからない
- 求めている機能がわからない
- プランごとの表があるが結局どのプランで自分のやりたいことができるのかが分かりにくい
情報収集をしていて上記のような使いにくさ、分かりにくさを感じたことがある人は多いのではないでしょうか?
サイト構造の最適化はSEOだけの問題ではなく、ユーザビリティやコンバージョン率にも大きく影響します。
BtoCのサービス・商品を提供している企業に比べて、BtoBのサービス・商品を提供している企業はこの点を見落としがちなので一度自社のサイトをユーザー視点で一通り見直してみるのもおすすめです。
高品質なコンテンツの制作、コンテンツマーケティングの戦略
BtoBビジネスでは、高品質なコンテンツの作成が必須になります。
業界のトレンドや最新の研究、具体的なケーススタディなど、ターゲット顧客が求めるであろう情報を提供することで情報収集に時点から潜在顧客との接点ができ、問い合わせにつなげることが可能です。
また、多くの高品質なコンテンツを作成することで自社のサービスや商品に関わるキーワードでのSEO対策にも直結します。
専門性の高い高品質なコンテンツを発信し続けることで業界内での専門性・権威性のアピールをすることも可能です。
GoogleはE-E-A-Tという下記の4つの品質評価基準を設けています。
- 経験(Experience)
- 専門性(Expert)
- 権威性(Authoritativeness)
- 信頼性(Trustworthiness)
E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて
Google の自動システムは、さまざまな要因に基づいて優れたコンテンツをランク付けするように設計されています。関連するコンテンツを特定した後、最も役に立つと判断されたコンテンツに高い優先順位を付けます。そのために、どのコンテンツが、エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。
中でも、信頼性は最も重要なものです。その他の項目も信頼性の一因となるものですが、必ずしもすべてにおいて優れている必要はありません。たとえば、優れたエクスペリエンスを基盤としてユーザーの役に立つコンテンツもあれば、専門性の高い内容でユーザーの役に立つコンテンツもあります。
Google検索セントラル E-E-A-Tと品質評価ガイドラインについて
高品質なコンテンツの発信はサイトのSEO対策で重要であり、続けることで長期的に結果を出し続けることも可能になるので必ず取り組むようにしましょう。
BtoBのコンテンツ制作で失敗しやすいポイント
BtoBビジネスを提供している企業がコンテンツ制作を進めていく上で失敗に繋がりやすいポイントが存在します。
- ①コンテンツの作成計画がない
- ②外注先に丸投げでコンテンツを作成するための情報提供をしていない
- ③現場を知らない担当者が現場へのヒアリングを行わずに作成している
①に関しては途中で破綻して、更新が止まってしまうことがほとんどです。
計画を立てないでコンテンツ作成を始めて、本業を優先してコンテンツ作成が後回しになってしまい、いつの間にか辞めてしまったケース以外見たことがありません。
続けられている会社は途中で自社内で計画をしっかり立てているか、SEO対策会社と連携してプロジェクトを進めています。
②と③はコンテンツの更新はできるのですが内容が薄くなってしまい、コンテンツの品質が低くなってしまいます。
実際に詳しい人、現場の知識がある人の情報がないとE-E-A-Tの基準を満たしたコンテンツを作成するのは難しいです。
コンテンツSEO・コンテンツマーケティングに本格的にこれから取り組む企業は「コンテンツSEOでウェブサイトの価値を最大化する方法」の記事もぜひ参考にしてみてください。
より具体的にコンテンツ制作の進め方とポイントについてまとめているので参考になる部分もあると思います。
リンクの獲得、BtoB業界でのオーガニックリンク取得方法
外部リンクはSEOにおける重要な要素の一つで、検索エンジンがホームページの評価をする手段の一つです。
リンクの獲得には時間と労力を必要としますが、ゲストブログ投稿、業界の専門誌への寄稿、プレスリリースの発信、イベントの共催・協賛などさまざまな戦略を活用することで可能です。
実際にオーガニックリンクを獲得していくとなるとSEO対策会社に外部対策を丸投げしているだけでは難しく、広報活動を行っていく必要があります。
また外部対策としてリンクを販売している業者がありますが、検索結果のランキングを操作することを目的としたリンクの売買はGoogleが禁止しています。
手軽に外部対策ができると考えてしまいがちですが、リスクも大きいので慎重に判断するようにしてください。
リンクの獲得方法について知りたい方は「ローカルリンクビルディングの戦略(大阪の場合)」の記事を参考にしてください。
ローカルSEO・MEO対策、地域密着型BtoBビジネスの場合
地元の企業を対象としたビジネスである場合、ローカルSEOは極めて重要です。
Googleビジネスプロフィールを活用したMEO対策や地域のキーワードを含むキーワードに対するSEO対策は、地元の企業への認知拡大や顧客の獲得につながります。
特にGoogleビジネスプロフィールは無料で使える集客ツールであり、他のWEBマーケティング手法ほど時間と労力が必要なケースも少ないため、登録ができていない企業はすぐに登録して活用を始めることを強くおすすめします。
Googleビジネスプロフィールの登録方法から確認したい方は「大阪でのGoogleビジネスプロフィールを活用したMEO対策」の記事を参考にしてください。
SEO対策の効果測定と調整
SEO対策は長期的に取り組んでいくWEB集客の手法なので成果を追跡し、適時調整を行うことが必要になります。
Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなどの無料のツールを活用して、訪問者の行動、サイトへのトラフィック、キーワードのパフォーマンスなどを定期的に確認しましょう。
Google Analyticsは2023年7月にGA4へと完全に切り替わり、今まで使用していたユニバーサルアナリティクスは使用できなくなります。
またユニバーサルアナリティクスのデータは引き継げないので、データのエクスポートやレポート化してまとめておくと過去のデータとの比較ができるので対応しておきましょう。
SEO対策の外注、SEO対策会社の選び方
SEOは専門的な知識を必要とするため、多くのBtoB企業はSEO対策会社を活用しています。
日々状況が変わるSEO対策に対応するには社内に部署を立ち上げて人材を配置するか、外注としてSEO対策会社を入れる必要があります。
時間、人材、費用を考えるとSEO対策会社を入れた方が費用が安く、リスクも低く済むケースが多いです。
BtoBビジネスでSEO対策会社を選ぶ場合は、下記のポイントを押さえておくと失敗のリスクは少なくなります。
- BtoBビジネスでの実績と成功事例
- 専門分野の確認
- 費用と料金体系
- 担当者とのコミュニケーションの取りやすさ
現在SEO対策会社を選定する段階の方は下記の2記事を参考にしていただけると良いでしょう。
効果的なSEO対策会社の選び方: 自社でできるSEOと依頼のメリット
賢い選択?低価格SEO対策会社の利点と落とし穴を徹底解説
BtoBビジネスでの実績と成功事例
BtoBビジネスの実績の詳細は守秘義務があるため、聞くのは難しいですが対応してきた業界程度であれば聞くことができると思います。
ホームページ上で詳しい情報を得ることは難しいので実際に会ったタイミングで聞いてみると良いでしょう。
専門分野の確認
SEO対策は様々な業界で取り組まれているWEBマーケティング手法なので、専門分野、得意としている業界の確認はしておいた方が無難です。
ただし、会社としては実績もあり得意な業界であっても自社についてくれる担当者は経験がないというケースも少なくありません。
SEO対策業者を選定している段階で担当者の専門分野・得意としている業界を聞くようにしておいた方が無難です。
費用と料金体系
SEO対策会社の料金体系は会社によって月額固定と成果報酬の2パターンに分かれます。
長期的に真剣にSEO対策に取り組んでいく場合は月額固定、自社で戦略立案や作業を行いサポート的に利用したい場合は成果報酬のSEO対策を選ぶのが良いかと思います。
担当者とのコミュニケーションの取りやすさ
BtoBビジネスの場合は特に担当者とのコミュニケーションの取りやすさが重要になるケースが多いです。
担当者のSEOの知識と自社のサービスや商品に対する専門知識を組み合わせてコンテンツを作成していったり、社内の様々な部署と連携をとりながらSEO対策は進めることになるので担当者とのコミュニケーションがうまくいかないとプロジェクトがうまく進まなかったり、トラブルになってしまうケースを多く目にしてきました。
担当者とのコミュニケーションの取りやすさはSEO対策の成果に大きな影響を与えるので必ず確認するようにしましょう。
SEO対策会社を選ぶ際に失敗しやすいポイント
SEO対策会社を選びで最も多く耳にする失敗は下記のケースです。
- 担当者とのコミュニケーションがうまくいかなかった
- 担当者が信用できない
- 担当者の言っていたこととやってることが違う
このように担当者との問題になっていることが多く、営業担当に相談して担当を変えてもらうと解消することも少なくありません。
SEO対策だけでなく、制作やWEB広告でも同様に担当者と自社の担当者の相性が悪くて揉めてしまったケースを耳にすることは多いので必ず確認するようにしましょう。
SEO対策、制作、WEB広告はどうしても専門用語が多く、何をやっているのかイメージがつきにくいためコミュニケーションがうまくいかないと本当にトラブルに発展することが多いです。
まとめ
BtoBビジネスのSEO対策は、戦略的なアプローチが必要です。
また、多くの部署に協力してもらいながら進める必要があるため、社内での調整にかける労力も大きくなります。
社内だけで取り組むのが難しい、SEO対策を進めているが成果につながってこないとお悩みの方はぜひ一度、株式会社ノベルにお問合せください。