Column コラム

中小企業に多いサービスサイトの失敗事例とその対策

2023.12.12

中小企業に多いサービスサイトの失敗事例と対策

株式会社ノベルではWebマーケティングの支援をサービスとして提供させていただいていますが、新規のご相談や知り合いからの紹介で最も多いのが「新しくサービスサイトを作ったがアクセスと問い合わせが全く取れない」というケースです。
結局、以前からあるコーポレートサイトにしかアクセスも問い合わせもこない。
何のためにサービスサイトを作ったのかわからないという状況に陥っている中小企業からのご相談を多く受けてきました。

  • どうやって集客をしていくのか計画を立てていなかった
  • 補助金が出たのでなんとなく作ってみた
  • 社長や幹部の思いつきで急遽作ることになった

上記のような流れでサービスサイトを制作された企業からのご相談が非常に多く、作った後から集客できる状態にするには別で予算が必要になるため、何もせずに放置されているケースもよく見かけます。
そこで本記事では、時間と予算を使って作ったサービスサイトを無駄にしないために制作前に計画を立てておくことと、すでに作ってしまった場合の対処法を解説していきます。

サービスサイトを作る前の段階

サービスサイトを作る前に考えること

サービスサイトを作成する前の段階で下記の3点は決めておく必要があります。

  • どうやって集客を行っていくか
  • 誰が運用していくのか
  • コーポレートサイトとの住み分け

この3点を決めていなかったために失敗してどうしようもなくなってしまった中小企業を多く見てきました。
それぞれ、なぜ決めておかないと失敗するのかを細かく見ていきましょう。

どうやって集客を行っていくか

サービスサイトを作った後に集客を行うための施策を行わなければそのサイトは誰にも見つけてもらうことができません。
ホームページを活用して集客をある程度行ってきた企業であれば、理解されている方がほとんどだと思いますが、

  • SEO対策
  • Web広告
  • SNS運用
  • SNS広告

などのサイトへユーザーを集めるための施策を打たなければ、元々有名で会社名で検索をされるような企業でなければ誰も来てくれません。
この記事を読んでいるあなたも、知らない会社が新しく作ったサービスサイトに何の広告も見ないで、SEOでも上位表示されていないのにアクセスしたことは一度もないと思います。
どうやって集客をしていくのか、またそのための予算はどれくらい確保しておくのかは必ずサービスサイトを作成する前に決めておきましょう。

誰が運用していくのか

運用ですることリスト

サービスサイトを作成したのに運用の担当を決めていないため、誰も触ることがなくサービスサイトを放置している中小企業は少なくありません。
情報が古くなったまま放置されていたり、ニュースや事例、ブログが1年以上更新されていないサイトでは日々更新・運用をしている競合他社よりGoogleやYahoo!の検索結果で上に表示されることはありません。
これに加えて広告を出稿したり、SNSの運用もしていなければユーザー側があなたのサービスサイトを見つけることはできません。
サービスサイトの運用担当者を作成前に決めておかないと、社内の誰もがよく知らない・わからないサイトになってしまいます。
社内で運用していくのが難しい場合は外部に委託することも可能なので、ノベルのようなWebマーケティング会社に外注するか、関係性の良い元社員に副業として外注するのもおすすめです。

コーポレートサイトとの住み分け

計画を立てずにサービスサイトを作った際に一番事故が起こりやすいのが、コーポレートサイトや既存のサイトとの住み分けができていなかったパターンです。
何のためのサイトなのかわからないだけでなく、既存のサイトにも悪影響が及ぶこともあるためここができていないならサービスサイトは絶対に作ってはいけないとノベルでは考えています。

  • 既存サイトの一部と内容が一緒
  • 既存サイトで掲載している事例が一緒

住み分けができていないと上記の問題が発生します。
こうなってしまうとデザインが異なるだけのコピーサイトができてしまいます。
GoogleやYahoo!といった検索エンジンではコピーサイトは掲載されない可能性が高いです。
また掲載されたとしても検索順位に影響が出ることがほとんどです。
実際に悪影響が出たケースを挙げると下記のようなものがあります。

  • 会社名で検索しても新しいサイトが出てこない
  • サービス名で検索しても既存のサイトが表示されて新サイトが出てこない
  • 今まで順位が取れていた既存サイトの順位まで下がった

同じ内容のサイトを新しく作るのはハイリスク・ノーリターンになってしまうので、LPを広告用に作成をしたり既存のサイトをリニューアルするといった選択をおすすめします。

サービスサイトを作ってしまった後の場合

サービスサイトを作ってしまった後の場合

ノベルが直接ご相談を受けたり、協力会社や知り合いが相談を受けてお話をいただくのはサービスサイトを作ってしまった後がほとんどになります。
作ったけれどもアクセスもないし問い合わせもない、検索してもサイトが出てこないといった状況に気づいてご連絡をいただくケースが多いです。
このパターンの場合は集客に向けて予算を新たに用意しなければ状況を好転させるのはかなり難しいです。
予算の確保が難しい場合は新しく作ったサービスサイトを閉じることも選択肢に入ってくると考えておいてください。
サービスサイトを作った後に全くアクセスもない、検索にも引っかからないという状況を改善する方法は下記の3つになります。

  • サイトをオリジナルの内容に作り直す
  • 広告でサービスサイトへのアクセスを確保する
  • 既存のサイトの下層ページとして利用する

それぞれのケースを紹介していきましょう。

サイトをオリジナルなサービスサイトに作り直す

新しいサービスサイトにアクセスもなく、検索しても出てこないという状況の場合はコーポレートサイトなど既存サイトのコピーサイトになっていることが原因であることが多いです。
このケースの場合はサービスサイトの文章や写真などをオリジナルのものに作り直して、既存サイトとは別物であるとGoogleに認識してもらわないと何も始まりません。
ただし、コーポレートサイトで詳しく紹介しているサービスページを切り出してサービスサイトを作っている場合は商材にもよりますが、相当難しく途中で諦めてしまう中小企業も少なくありません。
着手する前に内容を既存サイトと異なるものにするのが難しいかどうかを判断して、難しい場合は別の選択肢を検討しましょう。
また、同時に広告を出稿したりSNSを運用するなど他の手も同時に打っておかないとすぐに状況は改善するのは難しいことも頭にいれておいてください。

広告でサービスサイトへのアクセスを確保する

新しく作ったサービスサイトを新規で取得したドメインを使って運用する場合、SEOでは不利になります。
サイト運用もSEO対策もなしで予算をかけずに集客を行うのは現実的ではありません。
SNSで既に多くの優良なフォロワーを確保できている場合は別ですが、そうでない場合は予算を準備して広告で集客を行っていきましょう。
サービスサイトを作成しただけでユーザーが自然に訪れて問い合わせが取れることはほぼありません。
サイトの制作と集客は完全に別の競技です。
建築会社と不動産の売買会社のように同じ「Webサイト」を扱っていますが全然違うことをしているのを理解しておきましょう。

既存サイトの下層ページとして利用する

サービスサイトと既存サイトの内容にもよりますが、既存サイトの一部を切り出しただけの内容であれば既存サイトの下層ページとして利用することも可能です。
コーポレートサイトのサービスページだけをリニューアルしたように見せることで、せっかく作ったサービスサイトを無駄にせず再利用することが可能です。
既存サイトのボリュームアップにつながることもありますし、集客につながらないだけでなくマイナスの影響を与える可能性があるサービスサイトを放置する状況も回避できます。
新しくサービスサイトの広告予算を組む必要がなくなるので金銭的なリスクをこれ以上取りたくない場合はこの方法が一番おすすめです。

実際の失敗事例の紹介

実際にサービスサイトを制作して失敗した事例でノベルが相談を受けた事例を会社名などはわからないように伏せて紹介させていただきます。

コーポレートサイトのリニューアル時に製品の紹介サイトを複数作っていた大手企業

建設系企業のコーポレートサイトのSEO対策の支援をさせていただいていた時のケースです。
製品の紹介サイトを制作していることはSEO対策とは別と考えおられたため、公開されるまで存在を知りませんでした。
公開されて1ヶ月後に相談をいただきました。

  • 新規ドメインで製品のサービスサイトを3サイト作成した
  • 3サイト全てGoogleの検索結果に全く表示されない

この2点をお伺いし、確認したところ全ての製品サイトがリニューアルしたコーポレートサイトの内容と文章がほとんど同じサイトになっていました。
大手の企業様だったため予算と動ける人員が多かったことに加えて、コーポレートサイトではページ構成の都合で掲載していない事例の写真や情報を膨大な数お持ちだったため製品サイトの内容を作り替えて事例をはじめとしたオリジナルのコンテンツを大量に投下してそれぞれをオリジナリティのあるサイトに作り直しました。
同時にリスティング広告も各製品サイトで配信を開始していただき、半年も立たないくらいで各製品サイトから多くの問い合わせを獲得できる状況まで回復することができました。
こちらのケースは大企業で予算も人員も豊富だったため可能だったレアケースです。

社長の過去の経験から同じ内容のサイトを何個も作ってしまう中小企業

1つのサービスを様々なサービス名や屋号でサイトを何個も作って、昔はSEOでうまく集客ができていた企業のケースです。
10~20年前にこういった手法で集客がうまくいっていた中小企業に何社かお会いしたことがあるのですが、今回のケースは現在でも同じ手法を使っている企業様でした。
担当者様はSEO対策を勉強されており、年々集客数が悪化していることやコピーサイトが大量にできている現状のリスクを認識されていました。
解決方法がわからないのに加え、社長に担当者様から現状の問題点を伝えても取り合ってもらえなかったため外部から専門家を入れて社長に話を聞いてもらいたいとのご相談でした。
相談を受けた時点では同じサービスのサイトが3つ、ほぼ同じ内容のサービスサイトを1つ制作途中という状況でした。
1つの昔からあるサービスサイトだけはある程度の集客ができていたのですが、他の2サイトは半年に1回予約が入るかどうかという状況で、提供しているサービスは同じなため集客できているサイトと内容はほとんど同じ。
それぞれのサイトで異なるのはプランの値段とちょっとした言い回しの違いくらいしかありませんでした。
集客ができていないサイトはコピーサイトにしかなっていないため、集客ができているサイトに統合することと、新しく作っている同じ内容のサービスサイトの制作を止めることを提案させていただきました。
しかし過去の成功体験があるためなかなか聞き入れていただけず、残念ながら施策を実行することはできませんでした。
その後も担当者様から連絡をいただく機会が何度かあって、SEOからの集客がしんどくなってきた分、ポータルサイトへの掲載とSNS広告に力を入れることで集客数を維持できたとのことでした。

まとめ

中小企業が新たにサービスサイトを無計画に作ってしまうケースは補助金の申請が通ったタイミングであったり、何かを思いっきり変えたいといったタイミングが多いと思います。
計画を立てて、きちんと考えて意味のあるサービスサイトを作成するのであれば良いのですが、本業の合間にしか時間が取れず、制作会社ともうまく意思疎通ができていないまま制作をしてしまって事故になってから相談を受けることが多いです。
Webサイトは作って終わりではなく、運用していってから集客効果を発揮していきます。
サービスサイトを作成する際は運用していくプラン、集客プラン、既存サイトとの住み分けをしっかり考えた上で制作を進めましょう。
自社だけでは経験と知識がなく難しい場合はぜひノベルまでお問い合わせください。

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