Column コラム

ドメイン変更の影響とSEO最適化の方法

2023.09.02

ドメイン変更の影響とSEO最適化の方法

ホームページを運用していく中でドメインの変更を検討することが出てくることがあります。
10年近く様々な企業のWEB集客のサポートをしてきましたが、実際にドメインを変更する企業はそれほど多くはないのですが、私が担当していないサイトのドメイン変更とリニューアルを制作会社と進めて公開したらアクセスが1/10以下になって売上が0になってしまったから助けてほしいと公開した数ヶ月後に相談があったこともありました。
ドメイン変更がSEOに影響するというイメージが持ちにくいのか、大失敗をしてしまっている中小企業の話を頻繁にはありませんが数年に1回程度のペースでは耳にしたり、相談を受けることがあります。
知らなかったら取り返しがつかないほどのダメージになるこのドメイン変更とSEOの関係性と、ドメイン変更を行うときの手順について本記事では解説していきます。
取り返しがつかない要素になるので、ドメイン変更を行う方は慎重に行いましょう。

ドメイン変更がSEOに与える影響

ドメインとSEOの関係性を説明する時にはよく住所や立地のようなものと例えさせていただいています。
現在のドメインから新しいドメインに変更するということは遠く離れた全く知らない場所に引っ越して1からお店をやりなおすイメージに近いです。
以前の場所では宣伝も頑張り、知名度もついて、口コミもあって集客ができていたのが全く知らない土地に行ったら全てリセットされて1からやり直しになりますよね。
技術的な言い方をすると、下記の2つが起こります。

  • 今まで獲得した外部リンクが全て外れる
  • Googleからのドメイン評価が0になる

またSEOの問題以外にもお気に入りに登録してサイトに訪れていたユーザーはアクセスができなくなります。
お店に行ったら、引っ越していて突然無くなっていたような状況です。
このようにドメイン変更は正しく行わないと様々な問題が発生します。

SEOに影響が少ないドメイン変更の方法

SEOに影響が出ないようにドメイン変更を行うにはリダイレクトという処理を行う必要があります。
旧ドメインと新ドメインで同じページを全て紐付けて、旧ドメインにアクセスしてきた人を新ドメインのページに移動させてあげる設定になります。
手順としては、下記になります。

  • 旧ドメインのURL全てをリスト化する
  • 新ドメインのURL全てをリスト化する
  • 新旧のドメインのURLの対応表を作成する
  • 新ドメインのサイトをBasic認証やnoindexの状態で公開
  • リダイレクトの設定を行う
  • 新ドメインのBasic認証やnoindexの設定を外す

旧ドメインのURL全てを取得する方法

ブログを更新している場合や商品点数の多いECサイトを運用している場合旧ドメイン、つまり今使っているホームページの全部のURLを取得するのに苦戦する方が多いのでツールを紹介しておきます。

Screaming Frog SEO Spider

Screaming Frog SEO Spiderのトップページ

Screaming Frog SEO Spider 公式ページ

海外のツールなので英語になりますが、URLやタイトルなどサイトのデータを取得することが可能です。
無料版も用意されており、500ページまでなら無料で取得が可能です。

ページ一覧取得

ページ一覧取得

ページ取得一覧

起点となるページにあるすべてのリンクを取得してきてくれる無料のツールになります。
サイトの階層の深さによっては再帰取得レベルという項目の数値を調整しないとすべてのページは取得ができないので注意してください。
また、100ページを超えるサイトの場合は取得できない場合があるのでご自身でのチェックも必ず行うようにしてください。

新旧のドメインのURLの対応表

新旧ドメインの対応表を作成する際にはエクセルやスプレッドシートなどの表計算ソフトを使用するのがおすすめです。

ページ旧URL新URL
トップページhttps://aaa.comhttps://bbb.com
サービス紹介ページhttps://aaa.com/servicehttps://bbb.com/service
会社概要https://aaa.com/companyhttps://bbb.com/company

このようにまとめておけば誰が見てもわかりやすいので、複数人が関わる場合は特に対応表はしっかりと作っておきましょう。

リダイレクトの設定を行う

リダイレクトの設定は必ず1ページごとに設定し、何か特別な理由がない限りは301リダイレクトで設定しましょう。
よくある失敗としては個別のブログページを全部ブログ一覧のページにリダイレクトしてしまいアクセスの取れていたブログのSEOの評価が吹き飛んでしまいアクセスが0になるというケースを本当によく見かけるので、必ず一覧ページではなく個別にリダイレクトの設定をするようにしましょう。
またリダイレクトの設定は失敗してしまうとSEOの評価にダメージがあるだけでなく、リダイレクトがループしてしまいずっとページが表示されない状態になってしまうこともあるので、知識がなく自信がない場合は制作会社やSEO会社に外注してしまう方が無難です。

ドメイン変更で実際に見た大失敗

ドメイン変更に失敗したケースに何度か遭遇したことがありますが、毎回事前に相談をしてくれていたらな・・・と思ってしまいます。
どれくらい大変なことになるのか、実際に遭遇したドメイン変更の大失敗事例を紹介します。

自社で行い担当者にSEOの知識がなかったケース

中小企業で社内に1人のプログラマーを雇用されており、予算を抑えるためにこの方1人で社内の1サービスのホームページのリニューアルを行い、同じタイミングでドメイン変更を実施。
このプログラマーさんは他にもスタッフの管理業務も兼任されている中で対応されたとのことでした。
SEOの勉強はされたことがなく、ドメイン変更がSEOに影響するとは想像もしていなかったそうです。
結果は、下記のような状況になっていました。

  • 毎月5000~6000程あったアクセスが月に100程度まで激減
  • 月に30件ほどあった問い合わせは0にまで減少

この状態で3ヶ月ほど経過していたため、以前のドメイン時の評価は消えてしまってました。
またリニューアルの際にコンテンツも減らしてしまっていたため1からやり直していくしかない状況になってしまい、売上が厳しい状況に追加投資は難しいということで、テコ入れは行わず撤退されるという結果になってしまいました。

お気に入り登録して利用しているユーザーが多かったケース

こちらはSEOでの集客に力を入れていなかったサイトから相談を受けた事例です。
サイトを運営していた会社にWEBの知識がある人材はおらず、全て制作会社に任せるという体制をいつも取られていたのでそもそもSEOとはどんなものなのかという知識が一切ありませんでした。
ドメイン変更時に制作会社の方がリダイレクトはせず、詳細はわからないのですが各ページのURL変更を多数のページで行ないました。
結果としては下記のような状況になっていました。

  • お気に入りから飛んできていたユーザーがサイトに飛べなくなった
  • わざわざ検索してもう一度ページを探して訪れてくれるユーザーは半分もいなかった
  • サイトがなくなったという問い合わせの電話が増えた

WEBサイトの場合、使い勝手が悪かったりアクセスできない状況になるとすぐに今まで来ていたユーザーは離れていってしまいます。
今まで長年広告費などを使って集めてきたユーザーを大量に逃してしまったので損失はかなり大きかったと思います。

まとめ

ドメイン変更がSEOに大きく関わってくることはご理解いただけましたでしょうか。
ちょっと手順を間違えたり、失敗をするだけで今まで積み上げてきたものがリセットされてしまう危険性を知らずに作業をしてしまった企業が大変な状況になってしまったのを何件か見てきました。
特にWEBで問い合わせを獲得してほとんどの売上をあげていた企業が、制作会社の失敗によりドメイン変更でほとんどのアクセスを失ってしまった後の状況にも遭遇したことがあります。
ちょっとした思いつきで行ったドメイン変更が会社に計り知れないほどのダメージを与えることもあるので計画的に、本当に注意しながら進めるようにしてください。
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