毎日届く的外れな営業メール・テンプレ営業メールについて裏側と対策を考えてみた
2026.02.19

企業のWeb担当者や決裁者の皆様、日々のお問い合わせ対応、本当にお疲れ様です。 毎日フォームに届く「少し的外れな営業メール」の処理に、ほんの少しだけ疲れを感じていませんか?
「貴社の〇〇という事業に感銘を受け〜」「〇〇業界に特化したご提案です」など、一見丁寧な文面であっても、「いや、うちそんな事業やってないけど…?」と首を傾げたくなること、ありますよね。
ある日の朝、弊社の問い合わせフォルダに、こんな営業メールが2通届いていました。
営業の人 貴社が、ヘアカット、ヘアカラー、パーマなどの美容サービス事業を展開されていることを拝見し、ご連絡いたしました。SEO単体での成果創出が特に厳しくなっている業界・サービス領域であるとお見受けします

その2
ヘアカット、ヘアカラー、パーマなどの美容業界は、今後さらに市場の拡大が見込まれています。成功報酬型でリスクなく挑戦できる選択肢をご提案しますので…
弊社、知らない間に美容室に事業変更していたようです。
念の為、侵入されて美容室にサイトが改ざんされていないか調べましたが問題ありませんでした。
「SEO単体での成果創出が厳しい領域とお見受けします」とご指摘いただきましたが、誠に恐縮ながら、弊社はそのSEOを本業とする会社でございます・・・
なぜ、WEBマーケティング会社であるノベルに、美容室向けの熱烈な営業メールが届くのでしょうか。今回は、皆様も日々直面しているであろうこの現象の背景と、弊社に毎日届く「定型文の営業メール」について、少し優しい目線で、マーケティングのプロとして考察してみたいと思います。
目次
なぜ「的外れな営業メール」は届くのか?
結論から申し上げますと、これは「自動営業ツールの雑なリスト抽出」と「弊社のサイトが頑張ってくれたこと」が重なって起きた現象かと考えています。
現在、BtoBの営業現場では、Web上の企業情報を自動で収集し、問い合わせフォームにテンプレート文章を一斉送信する「自動化ツール」が多く活用されています。今回の誤爆は、おそらく以下のような流れで起きたと推測されます。

1. ツールの標的設定
美容ポータルサイト等から「株式会社ノベル」という企業名(※実際に全国で同名の美容室を運営されている企業様がいらっしゃいます)を機械的にピックアップ。
2. 自動検索による誤取得
そのリストにURLが載っていなかったため、ツールが連絡先を補完しようと、Googleなどの検索エンジンで「株式会社ノベル」と自動検索を実行。
3. 検索結果の表示
検索エンジンは「株式会社ノベル」というキーワードに対して、同名の別会社である弊社のサイトも検索結果の上位に表示します。(社名が全く同じであるため、これは避けられません)
4. ツールの勘違い
ツールはサイトの中身(WEB制作会社であること)を確認しません。
「検索上位に出たから、これが美容室のノベルのサイトだろう」と単純に誤認し、弊社のURLと問い合わせ先を抽出。
5. 誤爆メール発射
結果として、全く別業種の弊社宛に、「御社のSEO、厳しくないですか?」というテンプレートメールを自動送信
サイトのトップページを1秒でも目視確認すれば、「WEB制作・SEO」の会社だとすぐに分かるはずです。
営業担当の方も日々の目標に追われ、効率化を求めてツールを導入されたのだと思います。

「御社のサイトを拝見してご連絡させていただきました」ってテンプレートがより傷を広げるからやめた方がいいのに・・・

やめておきなさい・・・
しかし、その効率化の代償として「相手に的外れな連絡をして不信感を持たれてしまう」というリスクを負っていることに、少し胸が痛みます。
迷惑な営業メール、どう対策する?(受け手側の防衛策)
では、こうした「的外れな営業メール」や「スパムまがいの自動送信」に対して、受け手である私たちはどう対策すれば良いのでしょうか?
基本は「反応しない」が正解

「配信停止を希望する場合はこちら」というリンクがある場合もありますが、悪質な業者の場合、クリックすることで「このメールアドレスは生きている(反応がある)」と認識され、さらにメールが増えるリスクがあります。
明らかに的外れなメールは、無視・削除が最も安全な対策です。
「reCAPTCHA」などのスパム対策ツールを導入する…が、イタチごっこです

Googleが提供する「reCAPTCHA(リキャプチャ)」などの対策ツールは有名ですが、正直なところ、最近の高性能なボットや海外のツールは、これをすり抜けてくることがあります。
メーラーの「振り分け設定」で視界から消す

正直に申し上げますと、どれだけ対策しても、営業メールを技術的に完封することは不可能です。
これを防ごうとしすぎると、大事なお客様の問い合わせまで弾いてしまいかねません。
ですので、「届くのは仕方ない」と割り切り、メーラーの設定で自動的にゴミ箱へ送るのが精神衛生上、最強の対策です。
「ご提案」「協業」といった営業メールによくあるキーワードや、頻繁に送ってくる特定の営業会社(ドメイン)を条件にフィルタリング設定をしておけば、通知に悩まされることもなくなります。
ほぼ毎日届くフリーランスの方々からの「定型文営業」

自動化ツールの誤爆と並んで、Web会社として悩ましいのが、フリーランスのデザイナーやコーダーの方々からほぼ毎日届く営業メールです。
例えば、以下のような内容です。

御社のWebサイトを拝見し、UI/UX設計を重視したWeb制作とブランディング支援が印象的で、ユーザー視点の制作アプローチに魅力を感じました。
(中略)
【お仕事で大切にしていること】
・丁寧なヒアリングでご要望を正確に把握すること
・こまめなコミュニケーションで認識のズレを防ぐこと
・納期厳守と迅速な対応
一見、とても丁寧で真面目なメールに見えます。
しかし、これと全く同じ構成、同じ言い回しのメールが、毎日違う方から何通も届くのです。
スクールやオンライン講座で「営業メールの基本テンプレート」として教わったものを、一生懸命に送ってくださっているのだと思います。
しかし我々営業メールの受け手側にはこう見えてます。

御社のWebサイトを拝見し、UI/UX設計を重視したWeb制作とブランディング支援が印象的で、ユーザー視点の制作アプローチに魅力を感じました。
以下略

御社のWebサイトを拝見し、UI/UX設計を重視したWeb制作とブランディング支援が印象的で、ユーザー視点の制作アプローチに魅力を感じました。
以下略

御社のWebサイトを拝見し、UI/UX設計を重視したWeb制作とブランディング支援が印象的で、ユーザー視点の制作アプローチに魅力を感じました。
以下略
今まで100人以上の方から同様の営業メールをいただいておりますが、我々は一度も依頼をしたことはありません。
定型文では、皆様の本当の魅力や熱意が、私たちに届きません。
「ああ、また同じメール来てる・・・」となってしまうのです。

いつも気になってたんだけどブランディング支援ってサービスやってたっけ?
みんな送ってくるけど

やってない・・・
1つだけ「マジで」やめた方がいいと思っていること

営業メールに添付されている「自己紹介資料(ポートフォリオ)」について、1つだけ真剣に思っていることがあります。
「お子様の写真を載せて、パパorママ頑張ってますアピール」をするのは、不特定多数への営業では控えてください。
「親近感を持ってもらいたい」「人柄を伝えたい」という意図は分かります。
しかし、営業活動をしているのはあなた自身であり、お子様は全く無関係です。
意思確認もできないお子様の写真を、ご自身の都合で勝手に「営業ツール」として利用することの倫理的な問題を、今一度深く考えてみてください。
本当の意味でお子様を大切にされているのであれば、ビジネスとプライベートの境界線を明確に引くこと。
ご家族の写真は私的な空間に留め、営業資料からは切り離すことをお勧めします。

これだけはマジでやめましょう

お子様の安全を考えて絶対にやめてください
営業を頑張る皆様へ:効率化の先に「相手」はいるか?

自動化ツールを使って一生懸命営業されている企業の皆様も、スクールで学んだ定型文で勇気を出してメールを送ってくださるフリーランスの皆様も、根本的な課題は共通しています。
それは、「相手(送り先)の顔が見えにくくなっている」ということです。
「丁寧なヒアリング」「納期厳守」といった言葉は、とても大切ですが、そもそもビジネスの前提条件でもあります。
もし本気で相手の心を動かし、パートナーとして選ばれたいのであれば、テンプレートという「安全な殻」から一歩踏み出す必要があります。
- 「なぜその会社に送ったのか」をご自身の言葉で
サイトのどこを見てメールを送ったのでしょうか?
漠然と「デザインに惹かれました」と書かれていても、「本当に見たのかな?」と不安になります。
具体的な感想があるだけで、信頼度は大きく変わります。 - 相手の『強み』に合わせた提案」を
例えば弊社はWEBマーケティング(SEOや集客)を主軸とする会社です。単に「おしゃれなサイトが作れます」と言われるよりも、「CVR(成約率)を意識したデザインが得意です」「SEO内部対策を完璧にこなせるコーディングができます」と言われた方が、私たちの事業に貢献してくれるイメージが湧きます。
「相手が何を売っている会社なのか」を想像するだけで、提案の質は劇的に変わります。

サイト見てないのみんなわかってるからね

だからやめなさい・・・
綺麗事抜きで、「数」を追わなきゃいけない時期はあるが…
今回の「美容室と間違われた事件」は、社内では笑い話で済みましたが、マーケティングのプロとしては「効率化の代償」について考えさせられる出来事でもありました。
正直なところ、「質より量」で泥臭く営業をかけなければならない時期(成長フェーズ)というのは、どの企業にも、どのフリーランスにも必ずあります。
「効率化ツールを使ってでも、まずは知ってもらう」という戦略自体を、私たちは否定しません。
綺麗事だけでビジネスは回らないことも理解しています。
しかし、今回のように「相手の業種すら確認せずに送ってしまう」のは、効率化ではなく、ただの「雑な仕事」です。
「数を追う」ことと「雑にやる」ことは違います。
どんなに忙しい拡大期であっても、「送る相手が誰なのか」を最低限確認する丁寧さを忘れてしまうと、それは営業ではなく、ただのスパムとして企業のブランドを傷つける結果になってしまいます。
私たち株式会社ノベルは、そうした「拡大期の焦り」も理解した上で、「丁寧な戦略」を改めて大切にしたいと考えさせられました。