Column コラム

AI検索時代のWeb集客、何が変わって何が変わらないのか

AI検索時代のWeb集客、何が変わって何が変わらないのか

気づいたら、自分の検索行動が変わっていました。

何か気になることがあったとき、以前はすぐGoogleを開いていました。
でも最近は、まずGeminiやClaudeに聞いて概要をつかんでから、「もっと詳しく知りたい」「この会社のことを直接見たい」と思ったときだけGoogle検索に移る、という流れになっています。

同じような感覚、あなたにもありませんか?
周りを見ていても、同じような行動をとる人が実際に増えてきました。

シロ

最近ってGoogleより先にAIに聞くこと増えてない?

ソラ

増えた。概要つかむのはAIの方が早いんだよな


データが示す、検索行動の変化

博報堂DY ONEが2026年3月に公開した「AI検索白書2026」に、この変化を裏付けるデータがあります。

AI検索白書2026(博報堂DY ONE・2026年3月公開)より

  • 2025年12月時点で、ChatGPTのセッション数はGoogleの約4分の1にまで迫っている
  • 「最も利用する情報収集手段」としてAI検索を選んだ人は前回調査比で約3.5倍に増加
  • 「URLをクリックしてWebサイトで情報収集をする機会が減った」と回答した人が全体の約22%(半年前より4.3ポイント増)
  • AIの回答だけで検索行動が完結する「ゼロクリックサーチ」をおこなう人は23.9%
  • 一方で、32.8%はAIの回答に加えて検索エンジンでも追加検索をしている

出典:拡大するAI検索利用 ― 独自データで読み解くユーザー行動とAI検索の最新情報(AI検索白書2026より抜粋)

数字で見ると確かに、Webサイトに来る人が減りつつある傾向はあります。

ただ、この中で弊社が一番注目しているのは最後のデータです。

シロ

チャッピーに聞いてみるっていう人とか普通にいるもんな

ソラ

流行語大賞にもノミネートされてたしな


「Google検索が終わった」ではなく「入口が変わった」

32.8% AIで調べた後にさらに検索エンジンで追加検索する人の割合です。
この数字が、弊社が今一番注目しているデータです。

つまり、こういう動きが実際に起きています。

気になる → AIで概要を把握 → 深く知りたい・その会社を見たい → Googleで特定サイトへ直行

これはまさに、自分自身の検索行動の変化そのものです。
以前は複数のサイトを比較しながら回遊していたのが、AIで絞り込んだ後は目的のサイトに直行するようになっている。

「Google検索が終わった」のではありません。
情報収集の入口にAIが加わったというのが正確な理解だと思っています。

さらに言うと、この32.8%は通常の検索流入より検討度合いが高い可能性があります。
AIで情報を整理した上で「もっと詳しく知りたい」「この会社を直接見たい」と思って来ている人たちだからです。
なんとなく検索して流入してきた人とは、最初から温度感が違う。
営業で言えば、テレアポのリストと紹介経由の見込み客くらいの差がある可能性があります。

シロ

入口が増えたってことは、AIに存在を知られてないとその入口からはリーチできない人が出てきたってこと?

ソラ

そういうこと。Googleの検索順位の前の段階で、すでに絞られてる可能性がある


AIに「この会社は詳しい」と認識されるかどうか

従来のSEOは、Googleの検索結果で上位に表示されることがゴールでした。でも今は、その前段階でAIが情報を整理して、ユーザーに「こういう会社・サービスがありますよ」と提示するフェーズが加わっています。

AIは何を参照して回答を作るのか。それは、Web上に存在する信頼性の高いコンテンツです。

薄い情報、どこにでもある一般論、キーワードを詰め込んだだけの記事。これらはAIに引用される可能性が低い。逆に、専門性が高く、一次情報や実体験が含まれていて、その業界・業種のことを深く理解した上で書かれたコンテンツは、AIが参照する素材として価値を持ちます。

AIに評価されるコンテンツの条件を整理すると、こうなります。

一次情報・実体験が含まれているか

「一般的にこう言われています」ではなく、「弊社ではこうでした」「この現場でこういうことが起きました」という情報。
これはAIには生成できない情報です。

その専門領域の深い知識があるか

表面的な説明ではなく、業界の構造・現場のリアル・よくある失敗などを踏まえた内容。
AIはその業種に精通した専門家が書いたコンテンツを引用しやすい傾向があります。

構造が明確でAIが理解しやすいか

見出しや段落の構造が整っていて、「この記事は何についての情報か」がAIから見ても明確であること。内容が良くても構造が雑だと、参照されにくくなります。

逆に言えば、これらは従来のSEOでも重要とされてきたことと本質的に同じです。
「ユーザーにとって価値があるコンテンツを作る」という原則は変わっていない。
ただ、その価値を評価する主体にAIが加わった、というのが現在の状況です。


AIで記事を量産することの落とし穴

「AIに評価されるコンテンツを作ろう」という話をすると、「じゃあAIで記事をたくさん作ればいい」という発想になる会社が出てきます。

これは逆効果です。

AIが生成した一般論をそのまま記事にしても、AIはすでにその情報を持っています。
AIが引用するのは、AIが持っていない情報
現場の実体験、業界の一次情報、専門家としての判断だからです。

「AIで効率化しよう」と思って中身のない記事を量産するほど、AIにもGoogleにも評価されなくなる。皮肉な話ですが、これが現実です。

「AIで効率化した」という言葉をよく聞きます。
ただ、自分では何も判断できない・何も作れない状態になることを、効率化とは呼ばないと思っています。
それは効率化ではなく、空洞化です。
AIは使いこなす人間の知見や判断があってはじめて機能するツールです。
その土台を持たないまま丸投げすることは、むしろ自分の価値を削っていく行為ではないでしょうか。

そもそもAIに丸投げできるほど中身がない会社に、誰かがお金を払って依頼するでしょうか。
自分が発注する立場だったら、そういう会社には怖くて頼めません。

AIが引用するのも、人間が信頼して依頼するのも、結局同じ理由です。
「この会社には、他では得られない知見や経験、技術がある」と思えるかどうか。
AIで生成した記事を量産することは、その信頼を自ら手放すことと同じです。

シロ

AIにできることなら、わざわざ発注しないよね

ソラ

そう。お金払って人に頼む理由って、AIにできないことをやってもらうためやからな


弊社のクライアント様で実際に起きていること

弊社の特徴として5〜10年といった長期間にわたって支援させていただいているクライアント様が多いのですが、これらの会社に最近共通して起きていることがあります。

「AIに聞いたら御社が出てきたので問い合わせました」という連絡が来るようになった、ということです。

AI専用の対策を特別にやったわけではありません。
ただ、地道にWebマーケティングに取り組んできた結果として、AIにも認識される存在になっていた。
商材の単価や企業規模によって幅はありますが、AI経由の問い合わせを全て受注できた場合の金額ベースで、月間数百万円から規模の大きいところでは1億円近くになるケースも出てきています。

ただし、誤解してほしくないのですが、「SEOやSNSだけやってれば結果が出る」という話ではありません。

自社の商品やサービスに興味を持つ人がどんな人で、何に悩んでいて、何を知りたいのか。
それを真剣に考えた上で、コンテンツを準備し、ホームページの内容を整え、SNSで発信し続けてきた。
広告を活用したり、比較サイトや外部メディアへの掲載で露出を作ったり、自前の発信だけに頼らず複数の接点を積み上げてきた会社の話です。


本質はわかっている、でも細かい部分は変わり続ける

「AIに評価されるコンテンツ」の本質は、すでにある程度わかっています。
一次情報・専門性・実体験、これは前のセクションで書いた通りです。

わからないのは、各AIサービスの内部仕様の部分です。
ChatGPT・Claude・Geminiそれぞれがどういう基準で参照元を選んでいるかは非公開で、とんでもないスピードで進化し続けています。

ある程度共通して言えることはあります。

  • 専門性・信頼性・一次情報が含まれているコンテンツが引用されやすい傾向があること
  • 構造が整理されていること
  • 継続的に更新されているドメインが評価されやすいこと

このあたりはGoogleのSEOの考え方とも本質的に重なっています。

ただ、「このフォーマットで書けば必ずAIに引用される」というテクニックは存在しません。
仮に今有効なテクニックがあったとしても、それがいつまで通用するのかは誰にもわかりません。

だからこそ、特定のテクニックを追いかけるより、一次情報・専門性・実体験を積み上げる方が結果として安定します。
アップデートで変わらない部分を積み上げていく、という発想です。


まとめ

AIで情報収集をする人が急速に増えている
AI検索白書2026(博報堂DY ONE)によると、「最も使う情報収集手段」にAI検索を選ぶ人は前回比約3.5倍。Webサイトへの直接流入が減る傾向は実際に出てきている。

ただし「SEOが終わった」は正確ではない
同調査では32.8%がAI回答後にさらに検索エンジンで追加検索している。入口が増えただけで、検索経由の流入はまだ有効。しかもAIで調べた後に来る人は、通常の検索流入より検討度合いが高い可能性がある。テレアポのリストと紹介経由の見込み客くらい、最初の温度感が違う。

問題は「AIに存在を認識されるかどうか」
Googleの検索順位の前段階で、AIが候補を絞り込む時代になってきた。AIに引用されない会社は、そもそも候補に上がらない可能性がある。

AIに評価されるのは、人間にも評価されるコンテンツ
一次情報・専門性・実体験。これは従来のSEOでも重要とされてきたことと本質は同じ。ただ、評価する主体にAIが加わった。

「AIに紹介されて問い合わせが来た」は、すでに現実に起きている
製造業・不動産関係のクライアントで、AI経由の問い合わせが月間数百万〜1億円規模になってきているところが出てきた。特別なAI対策ではなく、地道なSEO・コンテンツの積み上げが結果につながっている。

正解はまだ誰も持っていない。だから早く動いた方がいい
試行錯誤を続けた分だけ蓄積される。弊社も現在進行形でやっています。

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